top of page
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram

平和の朗読劇

サヘルローズ イラン・イラク戦争のさなかに4歳で家族と生き別れ、7才の時に来日。 日本で暮らす中で、貧困・いじめなど、苛酷な試練に何度も直面しながら、壮絶な経験を乗り越えてこられました。その後、俳優として活躍する傍ら、世界の貧困地域や難民キャンプや、施設で暮らす子どもたちを中心に、人道支援活動にも力を注いでいる。

みなさん、こんにちは。
今日は、ここでみなさんにお話できること、とてもうれしく思います。

私は、ペルシャ絨毯に乗ってイランからやってきたサヘル・ローズといいます。

 

私が生まれたのはイランという国です。

皆さんが「イラン」という言葉を耳にしてどんな事を思い浮かべますか?

今回、イランのパビリオンがなく残念ですが、イランは7000年以上の歴史があり

親日家で、日本と共通することも多くあります。

ですが、近年は中東全体、また世界情勢の中で様々な争い・紛争・戦争が次から次へと・・

この戦争によって苦しむのは「子ども」でもあります。

日本に来て私は31年になります。残念ながら・・いまだに終わりなき戦争が続いています。

 

私自身も「戦争」によって人生が何度も変わった人間です。

物心つくころには、私は「家」も「家族」を失ってしまっていました。

戦争によって孤児になった私は大勢の子ども達と同様に、孤児院へ。


お腹いっぱいになる食べ物もなく、

子どもらしく声を出すことも、

笑うことも忘れていました。

 

けれど、私が7歳の時、ひとりの女性が孤児院にやってきました。


その人を私は見てこう言ったのです「お母さん」と。

 

今、私は39歳です。「お母さん」と呼んだ女性が私のお母さんになって32年目

 

確かに血はつながっていませんが、誰よりも愛してくれて私に人生を、教育を、目標をくれた、「家族」です。


私は育てのお母さんと出会った日から、「希望」という言葉を体感しました。


たとえ世界が暗くても、人の優しさは、光になる。

 

それから私とお母さんは日本で31年間共に生きています。最初は言葉がわからない。文化も違う。

 

異国にいくというのは不安になる今後の私はどうなるのか?どうすればいいのか??

 

「わたしはここにいる」「あなたも、大切な存在」  戦争孤児としてできることは

いのちの尊さと、そして今、起きている戦争によって孤独になっていく子どもたちの教育現場を守ること。

 

そんな活動を初めてもう15年以上が経ちます。

いくつもの難民キャンプに行き多くの子ども達と出会ってきました。

去年のお話も一つさせてください。

ウガンダというアフリカの国の難民居住地で、

私はたくさんの小さな手と、小さな声に出会いました。
そこには祖国の紛争や虐殺行為から生き延び、

祖国を追われた子どもたちが何万人もいました。

怖い夢を見た夜、
大好きだったお父さんと離れ離れになったこと、
逃げる途中で失ったぬいぐるみのこと、
そして、未来への希望。

子どもたちは絵を描き、手紙を書いてくれました。
その一枚一枚が、まるで心の叫びのようでした。

私は思いました。
この声を、誰にも消させたくない。
この「Dear(親愛なる)」の気持ちを、世界につなげたい。

だから、私は絵本をつくりました。
『Dear』 という絵本です。
声を持たないと思われている子どもたちの、確かな声がここにあります。

今、世界はたくさんの悲しみにあふれています。
戦争、貧困、自然災害、居場所のない子どもたち。
でもね、私は信じています。

誰かのことを思い、誰かのために何かをしたいと思う心がある限り、世界は変わっていくって。

 

平和ってなんだろう?


それは、きっと「想像する力」だと思います。
遠くの誰かの痛みを、自分のことのように想像する。
見えない涙を、心で受け止めてみる。
そのとき、はじめて「自分と違う誰か」が、「私と同じ誰か」に変わっていく。

 

今から読む絵本『Dear』には、そんな想いがこめられています。

 

どうか、あなたの心で、この絵と言葉を受け取ってください。
そして、できたら――となりの誰かと、分けあってください。

世界を変えるのは、大きな力じゃない。
やさしさを手渡していく、小さな手と手のつながりなんです。

それでは、はじめます。

 

 

 

 


『Dear』――親愛なるあなたへ。

臆病な大人へ

ワタシはアグ。

 

ワタシの夢は先生になることよ。

ここで初めての先生になって、みんなに勉強を教えるの

そうしたら、いい仕事して家族を幸せにできる。

 

 

勉強しないと、悪い人になってしまうから。

 

それに、勉強しないと、

女の子になっちゃった私たちは

すぐに結婚もさせられるから。

 

だからワタシの一番の願いことは、良い人でいたい。

女の子として、自分で生きていたい

知らないお父さんよりも、おじいちゃんの人と結婚をさせられたくない。

 

ワタシは家族を幸せにしたいの。

 

 

一度だけ魔法を使えるのなら?

 

自分には必要ないから

他の子にその魔法をあげたいかな。

 

国と国じゃ友達になれなくても

人間と人間は友達になれるんじゃないかな?

 

いじめあうより、

みんなの笑顔がたくさんできたら

戦争は怯えて、消えていくよ。

 

子どもは臆病じゃないけど、

大人は臆病だからさ。

​平和が笑う

一回きりの魔法は?

 

爆弾で死んじゃった、お姉ちゃんと弟を空から

地球に、返してあげること。

 

戦争のない世界?

 

今の大人が戦争をゲームとしてみてるけど

人類全員、嫌、大人が経験してわかってほしい

国の偉い椅子に座ってる大人に1番、戦場を歩かせたい。

この辛い、生きのこた人の痛みを知ってほしい。

 

みんなが人を大事にすれば

それが共存になって、

そうしたら悪い戦争に、

人間は勝てるでしょう?

 

そして、戦争を空に返してあげて、

その代わりに

空に行ったみんなが、

こっちに帰ってくる。

 

また、みんな家族と暮らせば、平和が笑う。

大統領になる少女

地球に生み落とされた。


貴方も 貴女も 私も
ここを自分で選んで生まれてきたのかな?
ん? そうだね、唐突にごめん
ここっていうのは地球のことよ
 

私ね、生まれてから
地球は針金の星だと思ってた。
だってさ、どこにいっても
空に針金が突き刺さっているもん

でも この星の名前は地球で
私たちは地球人なんだって。

ならさ、どうして同じ星で
同じ地球人同士が戦うの?

戦争に勝っても別に
地球が大きくなるわけじゃないでしょう?

どうして偉い人は、痛みを忘れちゃうの?
地球人の格好した、宇宙人じゃないの?


だからね わたし決めてるんだ
大統領になるって
だから、今、電気もない暗い部屋で勉強をしてる
ここは、地球だけど、地球じゃない
難民の星。

捨て去られた地球人が捨てられたば場所
いつの間にか、血の星が地球のニックネーム。

わたしが大統領になったら
世界中の偉い人を1箇所に集めて
亡くなったおばあちゃんのあずきスープを作って
みんなに振る舞うんだ。

そうして座って、 みんなで話し合うの。

私たちは対話をしてない。
互いに話したり、見たり、感じたり
相手も同じ地球人なんだから
分かり合えなくても
何か共有できるんじゃないのかな?


どう思う?
甘いかな、わたしの考え

bottom of page